駅から見て南側、バスセンター付近の八重桜。まだ咲き誇っていた。
緑が混ざっているこういう状態のほうが、色合いとしては美しいと私は思う。
とても寒い日で、何故か鳩が石垣に群れてうずくまっていた。
まずは小鹿田焼古陶館。
普通の民家らしい建物のに不安を覚えつつ中へ入ろうとしたら、開いてない。
呼び鈴などを鳴らし続けると、隣の家から腰の曲がったおばあさんが出てきた。
「開いていると思っていたのに、すみませんね」と言いながら開けてくれる。
受付を済ませて、あとは勝手に見ようかと思っていたら、なんだか我々のそばに来て、あれこれと教えてくれる。この話が意外に面白い。このコレクションは、ご主人が収集されたこと、雑器なので古いものがあまり残っていないことや、作られている瓶たちの底面積が大きさに比して狭いこと、そのため、力のない女でも傾けて内容物を注ぎやすく、移動も容易であることなどを一つ一つの作品見ながらお話してくれる。さらには、展示品をひょいと手にとり、傾けながら言う。
「ほら、こんなに大きな瓶なのに、こんなに楽に動くんですよ。触ってみてください。」
「いいんですか。」
「主人がね、雑器なんだから、使うものなんだから、触らないとわからないだろうって、それでこんな風に展示しているようなんですよ。どうぞ。」
確かに軽く動く。持ち上げてみてもあまり重くはない。粘土は整形するときに、自身の重さで下のほうへ集まってしまう傾向がある。すると下の方が重くなる。これを避けるために、縛りながら整形するとか、何らかの工夫を施しているものらしい。「詳しくはないのですけど」と付け加えながら教えてくれた。
妻はこういった触るものがとても好きで、いつまでも傾けては動作の軽さを確かめていた。
奥がその世界では有名であるらしい押し花の館。
ほとんど立体。嫌いじゃない感じだけど、おばさんが集まっていたので妻は気に入らなかったらしい。
この後、旅館街をぐるっと見て回って、再び駅前のミスタードーナツに入り、暖かいカフェオレを飲んだ。
横で商品先物を本日中に取引させようとして、一組の男女が地元の男を囲んで説得し続けていた。
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