2010年7月25日日曜日

ソルティレイ

ゴンゾ。ゴンゾといえばCGという自負か、不要なCGが多い。妙なメカも。そのために後半の絵の品質が落ちたのだとしたら、本末転倒。あまりに質が悪いので、最後のインテグラは脳障害なんだなと気づくのに3日かかった。
内容は、、、またもやセカイ系なんだろうけど、出色なのはおそらくロイというおっさんの描き方だったかな。徹底してダメおやじ。何が出来るというわけでもなく、オロオロとして、頑張るんだけど肝心なところに辿りつかない。これを、「すてきなパパ」として扱い切ったのが出色。もう少し、ダメだけどいいよ。というところを描いても良かったのかな。あれじゃとにかくダメおやじ。
ソルティは、まほろさんから受け継いだ横耳をピコピコ動かしていて、可愛らしかった。

2010年7月18日日曜日

四畳半神話大系

この監督の絵柄には、変に欝なところがあって、演出とか色合いとか、非常に気になるし評価もしているのだけれど、ただ、暗いという点が残念。ケモノヅメとか、カイバとか。この暗さには、連続して作品に触れるのを拒否するオーラが漂っているので、四畳半神話大系も、観終わるのがずいぶんと遅くなった。ちなみにカイバは途中で断念したままとなっている。絵柄は松本大洋なんかと近いのに、この突き抜け感のなさ具合はどこから来るのだろうか。
で、四畳半神話大系はどうかというと、これはかなり良い。やりきった。この監督がやりきれなかったということは無いようにも思うけど、こいつはとくにやりきったという感触がある。最後の、エンディングから始まってオープニングで終わるといった部分や、「オヅ」の描き方など。素晴らしかったんじゃないかな。
それにしても、昨年のハルヒといい、こういった「終わらない日常の終わり」を描くアニメーションが多いのは、どうしたことだろうか。

ストライクウィッチーズ

ネコミミに戦闘機に戦争、魔法、かわいい女の子。あと、パンチラ(?)スクール水着、入浴シーン。
女の子同士の友情、というよりも劣情?睦み合い?も有り。
このアニメーションを構成する要素をこうして並べて見ると、こうやって並べてから作ったのではないかと思われるほどのごった煮。よくもまあ作ったもんだと、ソッチの方に感心する。
中身は、割と全編を通してひとつの物語になるような作りになっていて、それとなく周到な感じに意外感がある。多分、一気に見てしまったのはそのせいだろうと思う。結果として面白かったかと言われれば、微妙としか言いようがない。どちらかというと、とにかく散りばめられたお楽しみ要素を、周到に用意された物語の上に乗せて、効率よく消費しました、という印象が強く、結果としては無駄な時間ではあったのだろうが、後味の悪さは無い。そのあたりが「咲」なんかとは違う。現在放映中の続編も、おそらく見るのだろうなと、思ったりする。

2010年7月3日土曜日

マクロス・フロンティア

マクロスとは、「歌」、「恋愛(三角関係)」、「戦争(可変戦闘機)」の3つの要素を描くものだ。という定義があるらしく、これはほとんど馬鹿げているというか、いっそ清々しいような割り切りだと思う。
実はマクロスってこれまでまともに見たことがなく、小学生の時に「愛おぼえていますか」が話題になったとき、なんとなくいやらしい感じに距離感を覚えて、「ミンメイっていじめられっ子なんだ」とか、「脱がされてる」とか、そんな印象と共に、シナリオをチラ見した記憶しか無い。その後、ちょっととしたタイミングでマクロス7が流れているのを見て、変なファッションの男が戦闘機の中で暑苦しくギターを弾いているという映像に、正直引いた。
で、そんな中で妙にブレイクしてしまったフロンティアが気になってみてみたんだけど、意外なことに面白かった。先にアクエリオンを見ていたということもあり、この監督の空気感に馴染みやすかったということはあったのだと思う。そして、マクロスには三つの要素があって、エンターテイメントってのは、これで十分!!というものすごい割り切りがあるんだと気づいてからは、いっそう見やすくなった。
「キラッ」とか。「抱きしめて!銀河の果てまで!」とか。もう、すごいのね。
この大御所監督が、エヴァンゲリオンの呪縛にもまったく我関せずで、ひたすら「楽しいSFアクションアニメーション」を提供し続けられたのも、なんというか、今だに若者にブームを巻き起こしてみせるパワーがあるのも、きっとこの割り切りなんだろう。これはこれで、すごい人だと思った。

荒川アンダーザブリッジ

相変わらずのシャフト×新房昭之。手法がマンネリ化してきている気がするのだが、働きすぎではないだろうか。じっくり仕事をさせてやれよ、と思わなくもないが、この手の人はそもそもじっくり仕事が出来ないタイプである可能性もある。のりに乗ってるからな。しばらくはこのまま走るのでしょう。
CQDを最低限の管理コストでコントロールし切る革新的な(手抜き)手法の導入、そしてその手法が表現として確かに現在を感じさせるということ、その現在性が、スタッフのモチベーションにつながり、さらなる革新(悪ふざけ)と新しい品質を生んでいる。。。
この人の仕事の特徴を簡潔に表すと、こんなところか。多分、ひょうきん族なんかもおんなじ流れなんでしょうな。ワッとブレイクするマネージャー(ディレクター)は、おそらく共通してこんなイノベーションを引き起こしているんだ。庵野秀明もしかり。もちろん、リーダーであるからには、革新的であるだけではなく、その革新性をチームのモチベーションに変換するプレゼン能力があるのだろうけど。
システム業界では、なにになるんだろうか。アジャイルを前提とした開発に、かつてはそんな気配を感じたのだが。。。ああ、そうか。テレビの連載ものってのがそもそもイテレーション前提だから、こういう手法が合うし、似通ってくるのか。すると…大規模基幹システムをハンドルするってのは、数字が取れる大作映画を作るのに近いのか?こっちはウォーターフォールか。やっぱりそうなるよね。
そうそう、ニノサンとマリアが素敵でした。

さらい屋五葉

マングローブです。オノ・ナツメです。音楽は、リストランテパラディーゾの時と同じ人なのかな。全般に、音楽との親和性が低い作りだった部分を除けば、かなり頑張ったように思う。オノ・ナツメのタッチって、ひどくあっさりしていて昔のマンガというか、風刺画風というか、そんなところがある。その割には妙な色気もあるという、そのバランスが絶妙。全体の作りも慎重にべたつかないように考えられているようだね。どの辺まで、その原作の力に助けられたのかはわからないけど、少しだけ原作を読んだ感想では、いくらか湿っぽさと分かりやすさを出すために、話を組み替えているよう。これは好みだろうな。でもまあ、頑張りました。