2010年6月19日土曜日

軽井沢 ポール・スミザーレクチャー

少し前の話。5月30日に、軽井沢絵本の森美術館で、ポール・スミザーのスライドレクチャーを受講した。初めての動いているスミザーを見たが、英国人とは思えない気さくな調子に驚き。イギリスではモテないのだろうか、などと余計なことを考えた。講習はとにかく情熱に溢れていて、美術館の敷地全体、はては軽井沢全体の自然環境改善と植栽について語っていたり(絶対に受注出来ていないよね?美術館館長に対するプレゼン?報道陣へのアピール?)、サイン会に至っては、全員に対して異なる絵を描きまくって一向に行列が進まないという「やりすぎ」感満載の好人物。「もうあと30分後に次の講演会始まるはずだけど、もう少しサイン(というより描きたいだけ描いているイラスト?落書き?)手を抜いて、お昼ごはん食べたら?」とか、またもや余計なことを考えたくなるような人。こういう人にお金を回してあげたいと、つくづく思う。彼にお金を回すと、地元の良質な職人たちが確実に潤う。この人が言っていることって、かつては日本のどこにでもあった里山の自然や雑木林を保存して育てていく、日本では失われつつあるノウハウの数々なんだよなあ、などと思ったりする。以下は、講演内容のメモ。

■庭造りの一般的な話題

  • 道は広く設計する。道の両方から植物が広がってくるため。狭い道は使用されない。
  • 花壇に植えるときには、鉢の3倍の深さをほるように指導している。深い位置に硬い地盤があり、根が広がらないことがあるため。3倍と言っておくとだいたい適切な状態になる。
  • 植えつける時に化成肥料を与えるのは無駄。バーク堆肥、腐葉土で十分。ギボウシ、シダ類はバーク堆肥が良い。バクテリアを多く含み、スポンジ状になる。
  • 植える間隔。成長するので、間隔は大きくとった方が良い。ただし、グランドカバーについては混み合っていても良い。その場合は15センチから20センチ間隔で良い。
  • 庭に植える植物の植栽を設計するときの考え方。
    1. どこに植えても良い植物を中心の植物とする。これをまずは決めて、適当に配置する。
    2. 庭の場所、特性(水分、日当たりの状態)に左右される植物を配置する。このとき、1)で決めた植物とは葉の形が違うものを選択すると良い。
    3. 実際に植えるときには、複数人数で適当に植えるのが良い。そうすると自然な感じに仕上る。
  • 地元の物を使う
    1. 植物にしろ庭を構成するものにしろ、その土地にあったものを使うのが良い。できればその土地の物を使うのが良い。
    2. この軽井沢絵本の森美術館に関しては、石垣に浅間石を使った。浅間石は黒く、湿気が多い軽井沢でよく育つ植物たちの緑を美しく見せる。
    3. 浅間石を使った石垣には、地元の職人を使った。石垣をコンクリートで固めておいて、水はけを確保するためにパイプを通している石垣をよく見かけるが、このパイプによって排水性が確保されている例を見たことが無い。職人が作る石垣は、ほとんどコンクリートを使わない。大きな石の隙間に小さな石を埋込み、本当に必要な一部分にだけコンクリートを流し込む。これで十分な強度が確保出来、石垣の隙間から水と空気が流れていく。
      このような石垣では、石垣の隙間に植栽するといった、発想の幅を広げていくことも出来る。

■多年草について

  • 多年草の植え付け
    秋に植栽した方が良い。春に植えると未だ土が冷たい。耐寒性が無い植物の場合は春に植える。
  • 多年草購入時のポイント
    秋植えの場合は安く購入出来る可能性が高いのがポイント。花が咲いている物については、どのような状態で花を付けているかを観察する。脇から新芽を出していればOK。さもなければ、株が弱っていて咲いている可能性がある。
  • 多年草植栽のポイント
    春に咲く植物は奥に配置する。夏、秋に咲く植物は手前に置く。春は、夏秋の植物が未だ大きくなっていないため。
    背丈が低い順に手前から植えていくと退屈になる。背丈が大きいが手前に植えても邪魔にならない植物を持ってくると、変化が出る。例)オミナエシ、オトコエシ(オトコエシは横に広がる。)
  • 多年草株分けについて
    バケツに水を張って、水の中で株を分けると、驚くほど多くの株に分割ができる。ヤリ過ぎに注意。
  • おすすめの植物
    スノーフレーク 球根、水が好き
    ノガリヤス 紅葉する。イネ科。
    原種系バラ ハマナス、サンショウバラ

■木と森について

  • 大木を買う場合のポイント
    良い植木屋は、2年毎を目安に植える位置を移動させている。頻繁に根を切るので、細かい根が多く出てきて、丈夫になる。太い根は木を固定するためのものであり、植物の成長にあまり役に立たない。根鉢が固いものは細かい根が沢山出ている。裏がダブダブだったり変形していたりする根鉢はダメ。
  • 健康な森と偽アカシヤについて
    偽アカシヤが多く生えているのを見かける。本来偽アカシヤは災害などで森が失われた時や、森が拡大するときに真っ先に生える植物。真っ先に生えて枝を張り、日陰を作って他の植物が追いついてくるのを待つ。健康な自然の状態だと、他の木が生えてきて、偽アカシヤより大きくなり、偽アカシヤはある程度までで自然と成長を抑制する。本来は大きくなるはずが無い植物。その偽アカシヤが大きく育っているのをよく見かける。偽アカシヤはその性格上、早く移動する前提となっているため、あまり深く根を張らない。大きくなっても貧弱な根しか持たないため、ちょっとした自然の影響ですぐに倒れてしまう。偽アカシヤが大きくなっているのは非常に危険な状態。
    例えば川べりに偽アカシヤが多く生えているといった場合、対応には注意が必要。そのまま取り除くと、偽アカシヤのおかげで保持出来ていた土が根こそぎ川に持っていかれる可能性がある。かといってそのまま放置しておくと、倒木の危険がある。こういった場合には、コナラとモミジを使うと良い。コナラは深く根を伸ばすので楔の役目を果たす。モミジは広く根を広げるので、土を保持する力が強い。初めは少し多めに植える。育ち具合を見ながら、育ちの悪い木は抜いたり場所を移したりする。そうして土が固まってくる頃には、自然と偽アカシヤが小さくなっていたり、人工的に引きぬいても大丈夫な状態になっている。

2010年6月13日日曜日

2010夏アニメチェックメモ

<MUST(期待)>
世紀末オカルト学園

<一応>
オオカミさんと七人の仲間たち
セキレイ
屍鬼
学園黙示録
黒執事2
?ストライクウィッチーズ?元GONZO?第一期見てないが面白いのか??

ただの備忘。なんだが、だいぶさびしい内容。

タオの月

雨宮慶太監督作品。この人の作品を表現する時には、常に監督名を入れる必要を感じる。
そして、それで大まかな方向性や質が伝わってしまうようにも思う。

GAROとか、後の作品でやりたい事をほぼ、モチーフとして突っ込んだ感じ。
阿部ちゃんが若くて、ああ、まだダメな時期なんだなあ、と思った。
吉野沙耶香がまだ子供で、思わず最近のセミヌード写真を確認したりした。

お金のかけどころが面白くて、とにかくかけたいところにかけられるだけかけて、
後の部分がどれだけ安っぽくなってもいいという考え方。
多分この人にたくさんお金を与えると、与えられた範囲で最大限のお金を
やっぱりかけたいところにだけかけると思う。CGとか。
そういう監督で、この人のおかげで潤っているセグメントが確実にあって、
全体感はともかく、製作者の尊崇を集められる部分が確実にあるという、
そんなものばかり作っている監督。

恐らくキャシャーン(紀里谷和明監督)の衣装は、この作品内の宇宙人衣装の色違いだし、
仮面ライダー響鬼の「音叉」はここで言えば「タオ」だし。とか、そんな感じ。

作品そのものよりも、そんな周辺がいやに気になる映画だった。

2010年6月7日月曜日

怪奇穴人間

地獄甲子園の山口監督と板尾のコンビ。このあとの映画見ると、二人はかなりうまが合うのだろうな。
内容はどうしたものか。ひたすら思ったのは、塚本監督はすごいということ。予算とか、技術とかキャストとかなんにも関係なく、高校生であの電柱小僧の冒険を撮った。その激しさ、破壊力はどこから来たんだろう。比べるのも気の毒だが、山口監督は多分、塚本監督に近づきたくて、近づけないので、コメディーに走っているように見える。しかしコメディーとして見ても、電柱小僧の方が破壊的だというところが悲しい。
思うのだけど、塚本監督の中で、コメディー要素はどれほど意識的なものなのだろうか。意外に本人はひたすら真面目なつもりにも見えるが。。。哀川翔と似ているか。